JICA/JSTのSATREPS事業(新バイオディーゼル日タイ共同研究)でタイのチュラロンコン大学へ納入したバイオディーゼル製造装置『HiBD-β』
触媒を使用した接触分解により廃食油や不純物を含む油脂から、含酸素成分を除去し、炭素数9~24のオレフィン・パラフィンを主成分とする炭化水素を副生成物なく高効率かつ低コストに生成します。従来のメタノールを使った油化方法である『BDF(FAME)』は脂肪酸メチルエステルを生成するのに対し、炭化水素油を生成できる『HiBD』は高品質であるため、エンジンの樹脂・ゴム製部品の劣化がなく、熱影響による酸・スラッジの発生や品質劣化もありません。そのため、BDFの混合率は軽油に対して20~30%程度が限界と言われているが、HiBDなら100%のニート使用であっても可能です。
従来の方法であるBDF(FAME)やBHDと比較すると下記のような優れた特長があります。
- 1.
- BDF(FAME)はメタノール、BHDは水素を必要とするが、HiBDは安価な触媒のみ。
- 2.
- BDF(FAME)は副生成物のグリセリンができ、それを分離するための水洗工程や、排水処理が必要であるが、HiBDは必要ない。
- 3.
- 反応は400℃前後かつ常圧化で行われるため、装置がシンプルで設備コストが安価であり、小規模設備でも運用が可能となる。
- 4.
- 流動点が低い(-15℃以下)ため、軽油とブレンドしなくてもディーゼル燃料として使用できる。
生成油の成分は、約80%のディーゼル分(軽油分)と約20%のガソリン分(ナフサ分)との混合油となります。
これらを分留することによって用途は更に広がります。
・車両、船舶、重機、農機等の燃料
・タービン発電機、ロータリー発電機等の燃料
・工業炉、焼却炉、ボイラー等の燃料
・農業用、家庭用の暖房用燃料